No.1偽造工事_専有部分トイレ工事

🟡 3行でわかる要旨

大京アステージは専有部分のトイレ工事を共用部分の修繕と偽装し、30%の中間マージンを上乗せして管理組合に請求し送金させた。
管理会社が組織ぐるみで送金関連書類のねつ造・改ざんを隠蔽した。
この問題は管理会社の構造的な不正と、管理組合の意思決定の独立性が侵害されていることを示す重大な事例。

🔶 問題の構図

3回の面談を経た大京アステージ主張による構図からの問題

① 専有部分の修繕をあたかも共有部分の管理会社の管轄工事であるかのように見せかける。
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② 協力会社オチアイを形式上の元請けに入れ替える。
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③ 下請化した実際の施工業者の見積書に中間マージンを上乗せして管理組合に請求。(見積書の資材材料を実際に工事で使用していない高額な資材材料にすり替え偽装し、30%に該当する70,200円上乗せ)
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④ 管理組合より元請化した協力会社オチアイに30%に該当する70,200円上乗せした工事代金を送金させるため、捏造し改ざんした送金関連書類で当時の理事長を欺き、送金依頼書に署名捺印を取り付け送金を実施。 

実際の構図からの大京アステージの回答の変遷

2023年10月10日の第32期10月定例理事会での大京アステージの回答:上乗せ差額70,200円は「民間会社としての営利を追求したまでです」
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その後、第32期理事長と共謀し管理会社が組織ぐるみで当該工事を追求した記録である2023年10月10日開催の第32期10月定例理事会議事録を隠蔽。

※2023年10月10日開催の第32期10月定例理事会議事録の隠蔽工作に関しましては、下記「No.11 大京アステージ事業管理部コンプライアンス課への依頼事項(理事会議事録の隠蔽工作の件))」をご参照ください。

① 2024年2月2日の大京アステージ回答書:上記③の上乗せ差額70,200円は専用部工事の調査対応などの諸経費だった。
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② 協力会社オチアイの工事代金請求書科目に調査費用項目がないこと及び管理組合の送金先が実際の施工業者でないことを指摘。実際の送金依頼書等の提出を要請。その結果、30%に該当する70,200円上乗せした協力会社オチアイの偽装見積書と請求書及び管理組合内書類である送金依頼書などの大京アステージによる捏造が発覚。
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③ 2025年3月7日の第1回面談時の大京アステージの回答:上記③の上乗せ差額70,200円は専用部工事ではなく共用部工事の調査対応などの諸経費だった。(管理委託契約書P15第1項第3号を適用し、専用部工事を共用部工事化した)
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④ 2025年5月15日の大京アステージ回答書:偽装請負・水増し請求は一切行っていない。

⑤ 2025年5月23日の大京アステージの再回答書:協力会社を元請とする旨の説明不足を謝罪。改めて協議の場をお願いしたいと表明

【不正行為の概要】

大京アステージは、管理組合へ提出した偽造見積書と請求書および捏造された送金依頼書の存在を隠蔽するため、本来は専有部分に該当するトイレ等の改修工事を、共用部分工事であるかのように装って申請・実行し、管理組合の承認を得ることなく費用処理を行った。


【問題点と評価】

  • 偽造・捏造文書の作成および行使:文書の真正性を偽り、管理組合に誤認を与えた行為は、刑法上の私文書偽造・同行使(刑法159条・161条)に該当する可能性。
  • 専有部分の不正な共用扱い:区分所有法および管理規約に反し、住民の合意なしに専有部分工事を共用費で処理した行為は重大な背任行為。
  • 組合への説明責任違反:意思決定に必要な事実を隠し、管理組合の合意形成プロセスを不正に歪めた行為は、受託者としての善管注意義務(民法644条)に明確に違反。

1️⃣ 問題の発端

当初、専有部分のトイレ修繕工事は管理会社とは無関係の施工業者が担当。
しかし管理会社側がその工事を共用部分扱いにすり替え、協力会社オチアイを元請けとして工事契約を組み替えた。

「共用部分」に限定して適用される管理委託契約書の該当条項(P15 第1項第3号)範囲を、管理対象外である「専有部分」にまで大京アステージは不適切に拡大適用した。

2️⃣ 具体的事実

  • 専有部分修繕に関し、大京アステージのが形式上の元請けとなり、
  • 実際の施工業者を下請け扱いに変更。
  • そのうえで、実際の施工業者の見積書に30%上乗せした金額で協力会社オチアイが管理組合と契約。
  • 捏造し改ざんされた送金関連書類で、当時の理事長を欺き送金させた。
  • 第32期理事長と共謀し管理会社が組織ぐるみで当該工事を追求した記録である2023年10月10日開催の第32期10月定例理事会議事録を隠蔽した。(隠蔽後は、偽造した議事録を作成させ、2種類の議事録のどちらが正しいのかという議論にすり替えを行った)

3️⃣ 影響と被害

  • 経済的被害:管理組合の不当な増額。
  • 組織的被害:管理会社が理事長・理事会の決定権を実質的に支配。(新年度への移行経過措置期間)
  • 社会的問題:全国の分譲マンションに共通する管理会社の不正の象徴。

4️⃣ 証拠資料一覧

当該工事を記録した理事会議事録(2023年10月10日第32期10月定例理事会議事録:議案5:長谷川氏より確認事項3)より抜粋:長谷川(当時理事)・堀氏(当時大京アステージ担当者)

5️⃣ 管理会社の対応・回答(大京アステージの回答の変遷)

大京アステージの回答の変遷一覧表より抜粋

第1回目の回答(2024年2月2日大京アステージ回答書):元請の協力会社工事金額と下請化した実際の施工業者の工事金額の差額は、協力会社の「調査対応などの諸経費」と回答。(大京アステージ山田支店長による隠蔽)

2024年2月2日大京アステージ回答書 No.1 枝番1

2回目の回答(第1回面談2025年3月7日 14:00〜16:00 喫茶屋らんぷ下津):上乗せ差額金の70,200円のオチアイの利益は、専有部ではなく、共用部の調査費用だった。管理委託契約書(P15 第1項第3号)に該当する共用部の元請オチアイ、下請クロタケ(施工業者共和工務店)で発注者は管理組合という工事受注だった。(大京アステージ辰己支店長・肥川副支店長による隠蔽)

第1回面談記録:2025年3月7日 14:00〜16:00 喫茶屋らんぷ下津店 1偽造工事_トイレ工事

3回目の回答(2025年5月15日大京アステージ回答書):偽装請負、隠蔽・捏造は否定。しかし、理事会への説明不足があったことは否めません。管理委託契約にもとづき履行が不十分であった。

2025年5月15日大京アステージ回答書 <ご質問事項>1

4回目の回答(2025年5月23日大京アステージ回答書):一連の手続きを進める過程が担当者任せになっており、管理職による牽制ができておりませんでした。

2025年5月23日大京アステージ回答書 <ご質問事項>1

6️⃣ 管理組合の対応と提言

  • 公的機関・親会社・報道機関への情報提供。
  • 管理会社との交渉履歴の公開と住民説明。
  • 全国のマンション管理組合への注意喚起と情報共有。
  • 今後の提言:外部監査導入、契約条項の見直し、住民による監視体制の強化。