★No.8 「形式的な総会承認」に依存する構図をつくり出し、各種修繕改修工事と管理費等を値上げ

問題の本質
大京アステージは、自社が提案・実施する修繕改修工事に関して、理事会や区分所有者に対し技術的・費用的な情報を十分に開示せず、「総会承認があれば問題ない」と主張して提案を強行。決算月や総会直前の理事会に工事提案を集中させることで、区分所有者が検討する時間を奪い、意思形成を事実上歪めていた。


🟡 3行でわかる要旨

  1. 大京アステージは、修繕改修工事のコスト構造を不透明にしたまま総会に上程し、区分所有者の判断を誘導した。
  2. 決算月や総会前の理事会に集中提案する手法により、住民が十分な検討を行えず、「形式的な総会承認」に依存する構図をつくり出した。
  3. 管理組合は情報開示と透明性確保を求めて粘り強く追及しており、今後は法的責任の検討や再発防止策を講じる方針。

🔶 問題の構図

  • 情報格差の利用・利益相反
    • 大京アステージは専門的判断が困難な理事会のタイミングを見計らい、十分な技術的説明や費用試算を示さずに自社提案の工事を推進。
    • 自社施工部分の利益確保を優先し、管理組合への説明責任を放棄。
  • 区分所有者の意思反映阻害
    • 決算月理事会や総会直前に工事提案を集中させることで、区分所有者が資料を吟味する時間を奪い、結果的に「総会決議という形式」だけで承認を得る手法を多用。
    • 区分所有者側には「急いで判断せざるを得ない」という心理的圧力がかかり、本来の議論が形骸化。
  • ガバナンスの歪み
    • 同社の業務運営体質が目立ち、他の組合でも同様の手法が横行している可能性を示唆。
    • 形式論だけを盾に「総会決議がある限り問題ない」と言い切る姿勢は、マンション管理の民主性と倫理性を脅かす。

証拠資料一覧

  1. 第2回面談記録 (No.8 4工事と管理費など)(2025年3月18日 14:00〜16:00/喫茶屋らんぷ下津店)
    • 管理組合側から「事態報告書の提出」を求めた議事録抜粋。
  2. 第3回面談記録(4工事と年会費などに関し)(2025年4月18日 14:00〜16:45/喫茶屋らんぷ下津店)
    • 大京アステージ(名古屋西支店長・名古屋東支店長・副支店長・藤高リーダー)出席のもと、工事費構造や提案時期の意図を質疑した記録。
    • 「会社方針で決算月理事会で次年度の工事契約の提案や総会前理事会で次年度管理委託費などの増額を提案している」との回答。
  3. 大京アステージ回答書<ご質問事項>8(2025年5月15日付 抜粋)
    • 「総会承認を得ているため問題ない」との最終回答。
  4. 第31期理事長の回答書(代理人弁護士 内容証明 5)
    • 「本議案の議決に瑕疵はない」との要旨文。
  5. 再通知書【再確認・再回答を求める主要論点】 9(2025年5月17日 21:36送付)
    • 「情報格差を利用して議案を進行させたことは意思形成の歪みを招く行為であり、以下①〜③について誠実回答を求める」と督促した文面。
  6. 大京アステージ真島社長へ提出した説明書(本件の経緯と問題点を詳細にまとめ、経営陣の責任を追及するために提出した書面。また同時に修繕改修工事の提案プロセスや費用試算方法、情報開示の不備を指摘した文書)

管理会社の回答要旨(最終回答)

  • 2025年5月15日 回答書<ご質問事項>8より抜粋
    • 「当社は工事内容を理事会に上程し、総会で審議・決議をいただいているので、組合の意思決定を歪める行為はしていない」
    • 情報開示や提案時期に関しては具体的な説明はなく、「総会承認を担保にした企業姿勢」を繰り返し主張。
  • 再回答<ご質問事項>8(2025年5月23日)より抜粋
    • 大京アステージの立場を改めて強調し、「総会決議が法的な根拠であり、いかなる疑義も指摘されない限り問題ない」との態度を崩さず。
    • 改善方針や再発防止策については一切示さず、透明性確保の取り組みも言及なし。

概要:修繕改修工事費と管理費に関する不透明なコスト構造の告発

  • 主な主張
    • 大京アステージは、工事提案時に必要な技術的・費用的説明をほとんど行わず、理事会の意思形成を実質的に歪めた。
    • 決算月や総会直前の理事会に自社提案工事を集中させることで、区分所有者の検討時間を奪う手法を常態化している。
    • これらは単なる説明不足ではなく、企業体質として情報格差と利益相反を悪用した不当な誘導とみなされる。
  • 具体的な問題点
    1. 情報開示の欠如
      • 工事内容や費用試算の根拠を資料として示さず、口頭説明で済ませたため、理事会メンバーは専門判断が困難。
    2. 提案タイミングによる圧迫
      • 決算直前や総会前の重要理事会に集中提案し、住民が十分に検討する機会を奪う。
    3. 不透明な管理費・修繕積立金の使途
      • コスト構造を明示しないまま承認を得ており、修繕積立金の適正な使途が不明確。
  • 提起している問題
    • 情報格差と利益相反:提案側が有利なタイミング・情報非対称を利用し、契約を強行する構造。
    • 区分所有者の意思反映阻害:形式的な総会承認に依存し、本質的な議論を回避するための手法。
    • 管理組合ガバナンスの弱体化:理事会・総会の役割が形骸化し、組合自治の民主性が損なわれる。
  • 関係法令と責任の可能性(一般論)
    1. 民法(善管注意義務違反)
      • 善管注意義務(民法第644条準用)により、管理受託者は専門的知見をもって情報を開示し、組合の最善利益を図る義務がある。
    2. マンション管理適正化法
      • 管理業務の適正化指針に反し、管理組合への説明責任を果たしていない場合、行政指導や処分対象となる可能性。
    3. 区分所有法・民法(意思決定の瑕疵)
      • 区分所有法第59条・第60条に基づく議決取消請求の検討材料となり得る。
    4. 契約責任・不正競争防止法(利益相反)
      • 管理委託契約違反や、不正競争防止法上の虚偽表示・利益供与に該当するリスクを孕む。
  • 管理組合側の対応方針
    1. 再通知書の送付【再確認・再回答を求める主要論点】 9(2025年5月17日 21:36)
      • 「情報開示・技術的説明の標準プロセス」「提案タイミングの意図」「今後の改善方針」を改めて誠実に回答するよう求める。
    2. 面談による継続的追及
    3. 法的対応の検討
      • 形式的手続きを盾にした責任逃れを許さず、必要に応じて議決取消請求や損害賠償請求を視野に入れる。
    4. ガバナンス強化策
      • 理事会における資料提出期間の明確化、外部専門家(建築士・弁護士)による事前チェック、契約書への罰則条項追記などを検討。
    5. 住民への説明会・情報公開
      • 区分所有者向けに経過説明会を開催し、透明性を担保するために「理事会だより」で随時報告。
    6. 全国組合への注意喚起
      • プレスリリースや報道提供を通じて、本件と同様の手法が他組合に波及しないよう警鐘を鳴らす。

大京アステージに発生し得る法的責任(一般論)

  1. 民事責任
    • 善管注意義務違反(民法第644条準用)による損害賠償請求。
  2. 契約責任
    • 管理委託契約違反(契約書に定めた説明義務違反)。
  3. 行政責任
    • マンション管理適正化法違反による行政指導・処分(業務停止命令など)。
  4. 刑事責任(該当性が認定された場合)
    • 背任罪(刑法第247条):利益相反や組合財産の不当使用。
    • 私文書偽造罪・虚偽作成罪(刑法第159条等):理事会議事録や工事提案資料に虚偽があった場合。

管理組合としての対応方針

  • 議論・検討の場を確保:理事会において外部専門家を招くなど、技術的・法的アドバイスを受けながら審議を進める。
  • 契約書の改訂:次回以降の管理委託契約に「説明資料の詳細要件」「提出期限」「違約金条項」を明記し、情報格差を是正。
  • 法的手段の検討:議決取消請求、損害賠償請求、行政通報を含めた複合的アプローチで対応。
  • 住民向け情報公開:進捗状況や大京アステージの回答内容を定期的にニュースレターやウェブサイトで周知し、住民の理解と協力を促す。

結論
大京アステージの「決算月・総会前理事会」での集中工事契約の提案や「情報格差を利用した意思歪曲」は、単なる説明不足にとどまらず、管理会社としての根本的な信用失墜を招く行為です。管理組合は通知・面談を通じて追及を継続し、法的責任を含めた厳正な対応を検討していく必要があります。加えて、理事会運営ルールの見直しや契約条項の強化を図り、今後同様の事態を防止するためのガバナンス体制を構築することが急務です。

改訂履歴

2025年6月4日 第31期理事長へのご照会と代理人弁護士によるご回答

第31期理事長へのご照会

代理人弁護士によるご回答

今後の示唆

  1. 第三者検証を導入して「情報開示の実態」を明らかにすべき
    • 大京アステージが「理事会→総会」という形だけの手順を示すのではなく、いつ・誰に・どんな資料を・どのように開示したのかを、第三者(たとえばマンション管理士など)を交えて検証し、その報告書を全組合員に公開。
    • そのうえで「総会承認を得た」という事実だけに終わるのではなく、「なぜそのタイミングで開示したのか」「理事会議論の内容は誰がどのように記録したのか」を明示することで透明性を担保。
  2. 再発防止策を具体化し、改めて組合員に周知するべき
    • 「総会承認があれば問題なし」という考え方を前提にしつつも、今後は『情報開示のタイミング』『提案段階での見積もり根拠』『理事会資料のチェック体制』などを細分化してマニュアル化
    • たとえば、理事会資料は必ず2名以上でダブルチェックを行い、「チェック者の署名入りで保管→総会資料として配布」という手順を規約で明文化することで、プロセスミスが再発しない体制を構築。
  3. 第31期理事長代理人弁護士には「回答拒否の見直し」を要請する必要があると考えます。
    • 「総会で可決されたから回答は不要」という態度では、組合員に対する説明責任が果たされず、後から別の疑義が出てきた際の信頼も失われかねません
    • 代理人弁護士としては、「理事会前の情報開示手順」や「再発防止策の具体性」についてコメントを出すか、少なくとも「第三者検証を行う」というプロセスに協力する姿勢を示すよう依頼。

以上のとおり、大京アステージと代理人弁護士の回答は、「総会承認さえあれば問題なし」という点では合致しているように見えても、

  • 大京は「最低限の説明はするが詳細は伏せる」スタンス
  • 代理人弁護士は「そもそも説明すら不要」と全面的にスルーするスタンス

であり、透明性・説明責任を担保するうえで大きなギャップ(齟齬)があります。今後は上記の示唆を踏まえ、第三者検証や具体的再発防止策の策定・公開を速やかにご検討ください。

2025年6月6日 「形式的な総会承認」に依存する構図を作り出した証拠資料として4件の工事見積書(総額650万円)・第31期決算月理事会議事録・総会前理事会議事録・通常総会議事録を追加

2023年4月23日開催第31期決算月理事会で大京アステージより提案があった4件の工事見積書(総額650万円)

2023年4月23日開催第31期決算月理事会議事録:4件の工事(総額650万円)は継続審議

2023年6月15日開催第31期総会前理事会議事録 議案2:「第31回通常総会の開催日時および上程議案の審議について(4件の工事(総額650万円))」は「その他」で総会への上程の承認決議なし。

2023年7月23日開催第31期通常総会議事録:第5号議案〜第8号議案(4件の工事(総額650万円))は承認決議